注文住宅の最大の魅力は、自分の理想通りの間取りを設計できることです。しかし、多くの人にとって、住まいづくりは人生で一度の大きなプロジェクトであり、経験が少ないために将来的に後悔する可能性もあります。
例えば、広々とした空間を作ったつもりが、実際に住んでみるとなんとなく落ち着かないと感じることも珍しくありません。
そこで本記事では、注文住宅の間取りを決める際に注意すべきポイントについて解説します。これらの注意点を理解して、後悔のない家づくりを目指しましょう。
理想の間取りを実現するための注文住宅ポイント3選
まず、注文住宅の間取りを決める際に考慮すべき3つの重要なポイントを解説します。
- 家族の意見とライフスタイルを考慮する
- 周辺環境をしっかり把握する
- ゾーン分けして考える
それでは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
家族の意見とライフスタイルを考慮する
注文住宅では、家族全員の要望を聞いた上で計画を立てることが重要です。すべての意見を取り入れるのは難しいかもしれません。しかし、家族がどのような住まいを希望しているかを把握し、間取りの優先順位を決めることが大切です。
家族一人一人の生活をイメージしながら生活動線を考慮すると失敗が少なくなります。例えば、家事がスムーズに行える間取りでないと、日常の負担が大きくなる恐れがあるので注意が必要です。
全ての希望を叶えるのが難しい場合は、代替策を考えましょう。たとえば、子どもが自分の部屋を希望していても住宅の面積に制約がある場合は、間仕切り壁や家具で空間を区切るといった方法が有効です。
周辺環境をしっかり把握する
間取りを決める際には、どうしても屋内のことに目が向きがちです。しかし、住宅を建てる周辺環境を把握することも欠かせません。
具体的には、敷地面積や土地の形状、近隣住宅との距離などをしっかり確認することが重要です。例えば、大通りに面している場合、通行人からの視線を避けるために窓の位置や形状を工夫する必要があります。
また、夜間の車の音が睡眠を妨げる可能性も否定できません。寝室をできるだけ道路から離れた位置に配置するなどの対策を講じると、さらに快適な住まいを実現できるでしょう。
ゾーン分けして考える
間取りの設計では、家をいくつかのエリアに分ける「ゾーニング」の考え方を活用するのがおすすめです。一般的には、家族が集う共有ゾーン、プライベートな空間を確保する個人ゾーン、そしてキッチンや浴室などの日常生活に必須の機能ゾーンの3つに分類します。
まず、これらのゾーンの割合や配置をイメージして、おおまかな間取りを決めます。そのあと、ゾーンごとに割り振った空間を、寝室や子ども部屋など、それぞれの目的に合わせて調整していくことで、快適な住まいの実現に近づけることが可能です。
注文住宅の間取りを決めるための3つのステップ
ここからは、注文住宅の間取りを決める際の工程を3つのステップに分けて解説します。
- 理想の間取りをイメージする
- 専門業者に相談する
- 納得するまで打ち合わせを重ねる
1.理想の間取りをイメージする
専門知識のない人がゼロから間取りを作るのは難しいため、まずはインターネットなどで情報を集め、理想的な間取りのイメージを固めていきましょう。
理想のイメージの有無によって、快適で愛着の持てる住まいを実現できる可能性が大きく変わります。漠然としたイメージでも構わないので、「このような感じにしたい」というデザインを探してみてください。
理想の住まい像が見えてきたら、建築会社の展示場やモデルハウスを訪れ、実際に体験してみることも大切です。
2.専門業者に相談する
間取りに対するおおまかなビジョンが固まったら、ハウスメーカーや工務店などの専門業者に相談しましょう。いきなり依頼するのではなく、複数の業者から相見積もりを取り、施工内容や予算を比較検討することが重要です。
信頼できる業者が見つかったら、正式に依頼し、見積もりをもとに具体的なプランを立てていきます。
3.納得するまで打ち合わせを重ねる
業者との打ち合わせでは、疑問点や気になる点をこまめに質問しましょう。
施主が積極的に相談することで、専門業者からも提案しやすくなり、理想的な住まいの実現に近づきます。「わからないから専門家に任せる」と丸投げするのではなく、わからないことがあれば遠慮せずに質問し、納得するまで話し合いましょう。
注文住宅の間取りに関する失敗例
注文住宅の間取りを決める際には、思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。一般的な失敗事例を参考にして、どのような問題が発生しうるのかを学びましょう。
- 水回りが混雑してしまう
- 開放感はあるが、音やニオイが気になる
水回りが混雑してしまう
一般的に、トイレ・洗面台などの水回りの設備は、一家に一つというイメージがあるかもしれません。しかし、朝の洗面所が混雑して「洗面台を2台つけておくべきだった」と後悔する人も少なくありません。
また、家族の人数が増えるとトイレも混雑しやすくなります。4人以上の家族ならトイレが2つあると安心です。
朝はみんな急いでいるため、水回りの使用順番をめぐって家族間で喧嘩になることもあります。建てた後の生活を朝・昼・晩や平日・休日といった様々なシーンでイメージし、快適な間取りを作りましょう。
開放感はあるが、音やニオイが気になる
注文住宅を建てる際に「開放感のある空間にしたい」と考える人は多いでしょう。開放感は住みやすい家の重要な要素です。ただし、音やニオイが家全体に広がりやすいというデメリットもあります。
例えば、人気が高いオープンキッチンは、料理のニオイ、特に油もののニオイがリビングに広がってしまいやすい点がデメリットです。また、吹き抜けがあると、下の階の生活音が上の階にも伝わりやすいという場合もあります。
まとめ
理想の間取りを実現できるのが注文住宅の魅力。ただし、注意すべきポイントを押さえておかないと、逆に快適さが損なわれ、こだわったデザインも無駄になりかねません。
理想的な住まいを建てて快適に暮らし続けるために、本記事で紹介したポイントを考慮しながら間取りの計画を進めましょう。